2013年12月9日月曜日

DULL COLORED POP 「アクアリウム」

を見てきた。

言わずと知れた、このブログに何度も登場した、谷賢一氏の劇団の芝居。
シアター風姿花伝で、なんと一ヶ月公演を敢行している。
(おお!)


芝居は、谷氏の実年齢、31歳の人々の話。
彼らは、キレる14歳、あるいはキレる17歳、あるいはもっとストレートに酒鬼薔薇世代と呼ばれた人たちなのだそうだ。
(あったな・・・そんな時代。)
唯一、大手商社に務める女性が闇のシェアハウスを経営して、そこに集まる、ま、ちゃんとは部屋を借りられない、主には31歳の人々の話。
そこに、北池袋で起こった通り魔殺人の捜査で、まるで「太陽にほえろ」世代の刑事がやってくる。
誰かが犯人かもしれない・・・疑心暗鬼でシェアハウスの中が崩れていく。

芝居の演劇的よしあしを云々するよりも・・・考えさせられた。
そう言う意味で、楽しく、あっという間の2時間だった。

シェアハウスに集まる人たちは、現代の問題児の方々。プチ犯罪者、犯罪者予備軍、引きこもり、草食&寄生虫男子、心身症などなど。おおよそコミュニュケーション能力やら社会性に欠けたと思われる人々。
こういうテーマをこのように扱った作品は意外とありそうでなかった気がする。
いや、この世代のご当人がこんなふうに取り扱う・・・ということが・・・。

この芝居を見ていたワタシ。
登場する「太陽にほえろ」刑事と同じ世代だ。

芝居の中で刑事が、だらだらぐずぐずしている31歳たちを見ていて「働け! 働いて親子丼食って、糞して寝ろ! 余計なことなんか考えなくなる」的なセリフがあった。
そうだそうだ!とうなずくワタシがいる。
でも、その刑事を見ていて「昔、いたいた、こんなオッサンがたっくさん」「わー、ついてけねー」と思っているワタシもいる。
そして、だらだらぐずぐずしている自立できない31歳たちを見て嫌悪感を持って「税金使うな!」と思っているワタシがいて、
でも、人とのコミュニュケーションはやはり「苦手」と感じているワタシもいる。
微妙に全てのキャストに感情移入している。
これがとても不思議な感覚でいた理由のようだ。

多くの人がそうなのではないか・・・。
どっちかだけの人はあまりいない気がする。
それが普通だし、普通の人ってそうだし、それでいいんじゃないかな・・・そうに違いないし・・・・。
(あれ、だんだん怪しくなってきた?)

この芝居は、人が抱えているいろんな自分を、「アクアリウム」の中に閉じ込めているようだ。
だから、このリアルとは言えない不思議な空間に惹きつけられた気がする。
クセのある、噛めば噛むほど味が出る「都こんぶ」のような芝居だった。


作家・谷賢一氏はこの31歳たちに非常に愛情を持って、この作品を書いている気がする。
うん。憎めない。
このシェアハウスの人々にある種のシンパシーを感じてしまう。
でも、そんなワタシは・・・それでいいのか!
こんな人たちを許していいのか!
・・・と、心の中の刑事が喚く。まるで、音に反応して歌いだすプラスチックな人形のように。