2019年4月15日月曜日

人生のモチベーション

アクターズワークスでエクササイズの後にやっている、キャラクター&シーンクラスを準備している。
その話し合いの中で、ずっと稽古に来ている若手の役者さんが「希望する劇団に所属できた」ということでお礼のメールをくれた。
嬉しいよねー!

今年は「新しいことをやる」という目標を掲げている。
とある映画プロデューサーの方に誘われて、今まで知らなかった方々の懇親会にでて「演技指導」について話し合ったり・・・
もう何年ぶりだろう、全然知り合いのいない演技ワークショップに単身申し込んで行ってみたり・・・
新しい・・・といってもあまり変わり映えしない芝居関係のことと思えるかもしれないが、ここ何年もやっていなかったことだ。

そういうことを通して自分の「モチベーション」について考える時間を持っている気がする。

「役者は待つのが仕事」といわれるくらい、いつ自分にスポットライトが当たるのか・・・全く分からない中、自分自身でモチベーションを保って、チャンスが来た時にそれをつかめる魅力と実力を培っていかなければならない。
来るのかもわからないチャンスに向かって自分を磨き続ける・・・改めてここでこう書くと目がくらくらしそうだ。

「人生はあざなえる縄の如し」だったか・・・まさにその通り。決していい時ばかりなんてありえない。
だからこそ、何で自分は役者が続けられるのか、自分のエネルギーの源は何なのかを見つめてみるのは大切なことだな、これも改めて・・・。

後輩の女優さんとそんな話になって、彼女は「私は怒りとくやしさ」だそうだ。
オーディションに落ち続けて「なんでなのよ!隣のコと何が違うのよ!」という悔しさがモチベーションで頑張れるそうだ。

私は・・・・ちょっと恥ずかしいが、人に褒められる・認められることだ。苦笑
カッコよく言えば「人の役に立っている」という気持ち。
人に話すと、恥ずかしくて笑ってしまう。。。。ああ!
オーディションに落ちたりすると「自分はいらないヤツ」と言われている気がしてもう「立ち直れない~~~!」と思うくらいどんよりしまくる。

自分のそういう気持ちをプラスに使って、「だったら上手くなろう」「いい役者になろう」「がんばろう」と思って、無理やりにでもそう思いながら一歩一歩続けて来たと思う。
これからもそうだな・・・と思う。
そして、二人で言ったのは「だからこそ本気でやらなきゃ何もつかめない」とうこと。
役者というのは、みんなが憧れる仕事。それほど狭き門の大変な仕事なのだ。

そんな役者という人生で「オーディションに受かる」「劇団・事務所に所属できる」など、大きく飛躍できるチャンスを手にした若手を見るのは本当に嬉しい。
そのコの嬉しさが自分の事のように感じ取れる。
っていうか、自分がレッスンを手掛けた人に対しては、もう、ほっとする!!!正直!(笑) 

やっぱり、話はここに行き着く。
みんな、本気で走れ~~~~~!

2019年2月26日火曜日

父の羽織

約二年前、父が他界した。
86歳。
母が老々介護で、6年ほど認知症が進んでいく父の世話をし、自宅での最後だった。 今はあこがれとなっている自宅で看取られる・・・というヤツ。
幸せな人だなぁ・・・と、改めて思う。

そんな父が、一度も袖を通す機会がなかった羽織があった。
母が「ほれぼれするくらいの絹じゃあ。私がお金を出してあげるから、スカートにでもして、あんた、着てくれん?」

その羽織がこれ。


そこまで言われれば・・・と了解し、東京に持ってきたものの・・・どうしたらいいんだろう。。。
今や、困った時はまずググる。

着物を洋服に作り替えてくれるところを探しまくった。値段とこちらの要求と・・・
やってくれるところはあるが、型紙は店側のデザインのものしかできなかったり(だいたいダサい)、洋裁しかやった経験がなく「自分で着物をほどいてくれ」と言われたり、 以外と東京にはなくて苦労した。
作るからにはちゃんと着られるものを・・・と思い、頑張った。
私はスカートだけを作ると着る機会がない。間違いなく・・・着ない!(笑)
なんとかしてワンピースに仕立てようと!
しかも、長く着られるようにあまり流行に左右されないデザインで!

やっとたどり着いたのが「きもの辻」さん。
洗い張りから仕立てまでやってくれ、こちらの要望も聞いてくださってフィットしたものを作って下さった。

なかでも、裏地。
これは染めているただの裏地だと思っていたのだが、折り込んだ一枚の布地だ!と教えてもらった。
「今はこんな手の込んだことするところはありませんよ。今どきこんなことしたらいくらかかるかわからない。とても贅沢な作り。」
ということだった。

そのワンピースがコレ!!!

友人の顔はプライバシーの問題でハートマークです(笑)

友人のジャズ歌手のコンサートに同級生たちと言った時、やっと写真を撮ることができた。
このワンピースのいきさつを話したら、
「素敵だね」「いい物だって、わかるよね」 と。
お世辞かもしれないが、嬉しかった。
母も「よかったよかった。これでこの羽織ももうひと世代生きて活躍できるがぁ」 と喜んでいた。
アクセサリーも靴もありものだった、ちゃんとこの服に似合うものをあつらえたらもっときれいに見えると思う。
色々チャンスを見つけて着て出かけられたらいいな。


父がいつどこで、どういう経緯でこれを作ったのか、なぜ一度も袖を通さず、しつけすら取ることなく、だけどすごくきれいな形で残していたのか、今や母にもわからないそうだ。

父が結局、袖を通すことがなかった羽織。
そんな劇的な裏話があるわけではないが、一つ形に出来てほっとしている。
できるだけ着よう!
来月、日舞の先輩の舞台がある。今度はそこだな!

2019年1月1日火曜日

あけましておめでとうございます!




謹賀新年

今年は、できるだけ自分の心の時間をゆっくりと動かしていこうと思います。

ゆっくり、じっくり・・・一歩一歩。

2019年がすべての人に幸多き一年になりますように!


柚木佑美

2018年10月13日土曜日

断捨離

やっと秋らしくなった。
ちょっと、仕事もゆっくりになった今日この頃。

やりました!断捨離!
まずは洋服。
私は、自他ともに認める!物を捨てられない性格なのだ。「もったいない」・・・それはわかる!やたら捨てるのは賛成できない!
 「もうちょっと着られるかも」・・・結局着ない!!!
「丈をちょっと直したらいい感じ」・・・直すのは半年先!!!

後輩の若い女優さんに
「柚木さん、着ないものは処分しないと運気も悪くなります!!」としかられ、
「捨てられないなら・・・」
と、最近流行の下取りしてくれる古着屋さんの連絡先までおしえてくれた。
ううう、ありがと・・・涙涙

ここ数年、膝や腰の痛みと戦っていて、洋服の整理やら、大掃除やら・・・そんなことが一番出来ない作業だった。
目の前の仕事や日常生活、リハビリに精一杯だったし、そういう作業が一番膝・腰につらいのだ。布団干す・・・とか。

今でも毎日・・・とはいかないが、暇を見つけてはストレッチと筋トレは欠かせないが、やっと体が動くようになっている。
 一時は「このままだったら着物はまず着て動けない。舞台・・・特に時代劇は完全にあきらめなくてはならないかも」とまで思った。
ここまで回復出来て本当に嬉しい。
そして、今年に入ってちょっとがんばった小さい大掃除(笑)、や今回の断捨離をやる気力が出てきた。


先日、樹木希林さんが他界されたくさんニュースが流れた。
残念ながら共演経験はない。
が、私自身、役者を目指した最初に師事したディレクターの深町幸男さんが愛してやまない女優さんで、深町さんのおかげで、とあるパーティや撮影を見学という形で樹木さんにお会いすることができた。あの通りの方だった(笑)。
そして、自動的に・・・というか無意識のうちに目標になった女優さんだ。
「まるで、本当にその役の人物がそこにいるような演技」
その樹木希林さんのニュース映像で「毎日、ちゃんと掃除したり食事するっていう、日常生活が一番大事」とおっしゃっている言葉が、とても身に染みている。

こんな仕事なので、なんか、つい、毎日の日常がうわついてくる。
仕事している時間だけが充実していて、掃除してたりすると「こんなことしてる場合じゃない」みたいな気になってくる。ましてリハビリ中なんて、焦る気持ちしかない。

これから・・・、年齢は若返ったりはしない。
だから余計に、朝起きる・・・コーヒーを入れて、朝食を作って、ちゃんと掃除して、歯磨いて・・・
やっぱり、どういう仕事をしていても人生を送っていても、毎日の生活が自分を幸せにしてくれる。
そんな時間を大切にしなくっちゃ!

そうだ、そろそろ新しいコーヒーポットを買おう! るん!

2018年9月25日火曜日

劇団「ミスマガジン」

この猛暑のもう一つのお仕事。
劇団「ミスマガジン」のかわいいお嬢さんたちの演技レッスン。

いやー、美しいビジュアルって いいねー!(笑)
自分自身はどっかに置いといて、綺麗なコ・カワイイコはこの業界にいると見慣れてくる。
おかげであんまり驚かなくなったが、集団で見るとまたちょっと別な感慨が!
なんか私、オッサン化してる?(笑)

今回は、劇団「20歳の国」の作・演出家 竜史 さんとの共同WSになりました。
30歳の若手とのコラボはとても刺激的。

11月の本番が、私自身も楽しみです!
がんばれ!ワカモノ!

麗しいビジュアルはこちらを! http://miss-maga.jp/

2018年9月24日月曜日

表現者塾のレッスン

いつもは俳優さんを相手にレッスンをしている私ですが、「表現者塾」という、ボーカルの方々のレッスン塾に通っている方々に、芝居の稽古をさせていただく機会がありました。

若いころ、ボイストレーナーを受けてて先生から、「歌の人はシンプルで開いている。役者はもうややこしくて・・・」
と言われていたことを思い出した。

とてもオープンで個性的なメンバーでした!!!

表現者塾HP  https://hyogenshajuku.com/




 

2018年7月26日木曜日

ダルカラ『1961年:夜に昇る太陽』

先日、ダルカラ(DULL-COLORED POP)さんの「福島三部作・第一部 1961年:夜に昇る太陽」を見てきました。
(DULL-COLORED POP  http://www.dcpop.org/

36歳の若手作家が、よくこれを書いたものだ・・・ 

間違いなくいいお芝居でした。
見終わって、作・演の谷賢一氏と言葉を交わしました。
柚「いい芝居でした。でも、だからこそつらかった。1961年って私の生まれた年なんですよ」
谷氏「ええ!だったら余計感慨がありますよね」
柚「当時の貧乏さは、書いた本人の谷君より私の方がわかるかも・・・」 


この作品は、題名の通り福島で起こった原発事故をテーマに、第一部は、1961年、戦後経済発展を続ける日本で福島の双葉町(群?)に日本初の原子力発電所建設の人間模様を描いた物語。

そこで描かれる人間模様に、もしかしたら書いた谷君本人より多くのことを感情移入したかもしれない。

戦後、「幸せ=豊かさ」を求める国民。
その結果、成し遂げられた経済発展。
でも、その裏で様々な「都合の悪い真実」 が「隠ぺい」され「後回し」にされた今の世界。
日本でも世界中でも、毎年起こる大きな災害、環境破壊など問題は山積み。
自分の幸せを追い求め、その結果の今の世界に、何万分の一かの責任は、私にもある。。。

劇中の、双葉町の住民の気持ちも、原発を作ろうとする事情も、双方がわかる。
「目先」かもしれないが、今、目の前にいる家族の、村の人々の、具体的な幸福を願って何が悪いのだろう!どうすればよかったというのだろう!

私は、1961年、岡山に生まれた。
その時の、しかも東北の田舎の状態が私にわかるわけではないが、「オールウェイズ・三丁目の夕日」で描かれたように、夢と希望に包まれただけの時代ではもちろん・・・ない。
「貧乏」「経済格差」は今の私たちから考えられないほど深刻だったはずだ。

帰りの道すがら、昭和の有名なシナリオライター・早坂暁さんの「事件・2」という本を思い出していた。
・・・東北から出稼ぎでやってきた男が、腕を怪我して働けなくなった。その結果田舎に帰れなくなり都会の闇に沈み、ホームレスになる。その男がラブホテルで売春婦を殺した。その売春婦も北関東の田舎で貧乏な農家に嫁いだ女。婚家のおばあちゃんが口減らしのために自分自身を船に乗せ自殺しようとした時、引き留めることができなかったという過去を持つ。
女はその自分が許せず家を出て、東京のネオン街で売春婦になり、内緒で家にお金を送り続けていた。
女が「娘が学校を卒業した。もう自分の役目が終わった。殺してほしい」という。 
情事の後、お互いの身の上を知った男は我が身の上を重ねて断り切れず女の首を絞めた・・・事件。

私がこの作品に出演したわけではないが、この本を読んだのが20代半ば。
当時、この女が義母の「自殺」を止められなかった時代が1960年だったこと、ほとんど自分が生まれた年だったことに愕然とした。
貧乏で、貧乏で、どうしようもなくて・・・

私自身は、高度経済成長の中まともな両親の元、今回の芝居「1961年:夜に昇る太陽」の中の若者のように「自分の人生」を謳歌して生きてきたのだ。
「貧乏」はある意味「不幸」だ。人間の尊厳を脅かす。
それを覆すため、なんとか「少しでもよくなるため」に生きてきた普通の人々・・・「1961年:夜に昇る太陽」や「事件・2」などの描かれた普通に生きる人々に、誰一人として「悪い人」などいない。
誰もが「幸せ」になりたくて一生懸命生きている。
私もその一人。

私たちは、いったいどうすればよかったのだろう・・・
何ができたというのだろう。・・・
これから、何かできることはあるのだろうか・・・

今回の芝居の原発問題には、「政治」や「たくさん利益を得る人」がかかわっているだろう。
これも、普遍のテーマだ。
せめて今、私が言えること。
「何万分の一かの責任」を持つ私たちは、何もできないかもしれないけど、せめて目を背けてはいけないのだと思う。
この心苦しさを、完全に忘れては・・・ 忘れたふりをしてはいけないのだろうと思う。

 
 今後の第二部・三部 で谷くんが何をどう描いてくるか楽しみにしています。

最後に・・・
ダルカラさんは若手に人気の劇団。
こないだも、おそらく演劇関係者だろうと思われる人がたくさんいました。でも、出来るだけ普通の人、演劇以外の仕事をして暮らしている人にたくさんこの芝居を見て欲しい。
そういう意味で、メジャーを目指してほしい。
それが芝居の意味、責任? 力? だと思います。
せめて・・・
せめて・・・